ディーのこと

そして、ディーベルのこと。
今の気持ちを残しておきます。
今回は2人分なのでとても長いです。

10/5夜。
最近お気に入りのわたしのスヌードの中で、1つだけあげたおやつを食べているところを写真に撮る。何度撮っても不細工だった。
最近は一緒に寝たり、それぞれで寝たりとバラバラだったけれど、この日はお布団に連れてきて撫でながら就寝。
10/6朝。
起きたら自分の寝床(わたしの洋服ダンスの2段目)に戻っていることがほとんどだけど、朝起きたらまだわたしの毛布にくるまっていた。
起きる時に撫でまわして声掛け。真っ直ぐにこちらを見るディーの顔が忘れられない。
ごはんを全部残していた。
でもこれはいつものことで、気に入ったメニューじゃないと食べていないこともあり、この時はたいして気にしていなかった。
前日の夜はおやつを食べているし、ちゃんと運動もする。
わたしが朝ご飯を食べていると、ディーが水を飲む音が聞こえた。何もかもいつも通りだった。

10/6帰宅後。
帰宅をすると、だいたい段ボールのバリケードを突破して飛び出して迎えてくれる。
リビングの座布団に座っていたり、バリケードが突破できない時は部屋で待っていたり、でもまだ眠りこけていることもある。
この辺も何が正解ということはないので、まだ起きてこないんだなと先にご飯を済ませることにした。
先にごはんを済ませる意味は、ここのところディーの甘えが再加速して、わたしのご飯中でも何か作業中でも、
先に登場したスヌードから「シーシー」と呼ばれて、撫でることを強要される。
ディーは差し入れたわたしの手の中でモゾモゾしたり、指を噛んだり、そのまま寝てしまったり、小一時間そこで過ごす。
だから今日は先にご飯を食べて、後からゆっくり遊んであげるかなと思っていた。

なので帰宅から1時間後、本格的に部屋でディーを探し出すまでこの異変に気付かなかった。

いつもの寝床にいない。
当然、わたしの布団にもいない。
キャリーバックにも、もう登れるわけがないシルバーラックのてっぺんのお気に入りだったビデカメの箱にもいない。
まさかと思って、いつもの寝床のひとつ下の段のぎゅうぎゅうに服が詰まった隙間に手を差し入れた。
最初は気づかなかったけど、再度手を入れて探ってみたら。
大好きな手触り、の後に感じた皮膚の固さ。
ベルの時に知った、大嫌いな感触。
思わず小さな声が出て、もう見なくてもわかるから、呼吸もままならない中、連れに電話をした。
すぐ行く。すぐ来て。の短いやり取り。
意を決してクローゼットを引き出すと、わたしの服に頭を乗せて、すやすや眠っているかのようなディーがいた。
嘘だ、嫌だ、何でを繰り返しながら大泣きするも、いつものように見てくれる目はあかなくて、
あんまり触ったら熱を渡すことになるから触れなくて、吐きそうなほどの胃痛に体育座りのままでわんわん泣きながら名前をずっと呼んでいた。

2度目ということもあり、冷静に判断する自分もいて、泣きながら保冷剤を集めたり、ベルの最期の時に入れていた保冷バッグを出したり、お別れの時に入れるごはんやおやつを手早く用意する。
それと同時に会社に明日休む連絡を入れ、葬儀屋に行った時のために最低限のメイク道具も鞄に突っ込んだ。

9歳だから、いずれとは思っていた。
つい数日前に病気になった時のために、そろそろディーくん貯金をしなきゃなと思っていた。
いつかいなくなってもペットレスにならないようにって想像は何回もした。
でもディーがいない生活がいまいちピンと来なくて、何となくこんな風にあと数年は一緒にいられるものだと信じていた。
だってどこもおかしいところがなかったもの。
毎日撫でるついでに腫瘍はできていないかとか便や尿、食欲や運動の仕方まで全部見ていたよ。

ボーっとディーくんの様子を見ていたら迎えが来たので、そっと抱きかかえて大好きなスヌードに包んで保冷バッグに入ってもらった。
深夜中、どこからこんなに水分が出るんだって思うくらいわんわん泣いて、ものすごい頭痛に頭を抱えながら泣き疲れて眠った。

翌日、ベルと同じところにお世話になろうねってことで、葬儀屋さんの予約。
少しでも何か食べたほうがいいってことで、ガストで雑炊。
お花屋さんに寄り、葬儀で使用するお花を選ぶも、ペットの葬儀で使うと言った途端に涙腺崩壊してしまい、お花屋さんを困らせてしまった。
小動物用の小さくて派手で可愛いお花を一緒に選んでくださって、これはわたしからって黄色のバラを2本サービスしてくださった。
(花言葉があんまり良くないのは見ないことにする)
選んだ花がバラバラすぎて、センスがなさすぎてちょっとだけ笑った。
葬儀の時間が16時でまだ時間があったので、ディーを車に置いて近くのZARAで秋服を買う。

葬儀屋さんが近づくにつれて悲しみも増すし、緊張もなぜか増す。
お別れって2度あると思っている。1度目は亡くなった時。冷たい身体と対面して、もうその目はわたしを写すこともないし、時間を共有することもない。2度目は焼かれる時。その大好きだった身体に触れられなくなる。顔も見れない、指も繋げない。これほど悲しいことがあるかな。

葬儀屋に少し早く着く。
相変わらず冷たい雨が降っていて、空も悲しんでいるならこの状況をどうにかしてくれよって本気で思ってしまった。
焼き場での最期の言葉は、いろいろ考えたけど、「また逢えるからだいじょうぶ」にした。
大好きだなんて当たり前だし、すがっても変わるわけがない。だから未来とか来世とかそんなあるかもわからないものに託すことにした。

親と、ディーベルのお迎え時に一緒だった弟に連絡した。
あんなに年末年始なんかに帰ってくるなと言っていた母が、今年は帰ってきたらと気遣ってくれた。

本当にディーベルが大切で、何よりも大事で、生き甲斐だったから正直しんどい。
ベルがいなくなった後は、ひとりになったディーを寂しがらせないように、精いっぱい時間を使った。
さいごのさいごまで、できる限り一緒にいたし、触れていたし、ワガママは何でも聞いた。
だからそのことに関しては、もう何の後悔もない。
愛情をお土産にベルのところに行ってくれていると信じている。
本当に心残りがあるとすれば、最期の瞬間に居てあげられなかったことだけ。
異変に気づけば、仕事なんて休んだのに。最期に呼んでくれたんじゃないかと思うと、今でも心がギューッとなる。
ベルもディーも、お別れが急なんだよ。

しんどすぎるから、即部屋の模様替えをした。
ディーベルが得意げに登っていたシルバーラックは解体して、ケージも、ケージを覆うのに使っていた布団も、全部全部すぐに連れに処分してもらうように渡した。上に登るのに使っていたわたしのいらなくなったコートも、綱渡り用のロープも次のゴミ出しで捨てた。
ディーの最期の場所はわたしひとりでは開けられなかったので、連れが来た時に一緒に見てもらって、吐いたり、血がついていたりしていないか確認してもらった。本当に綺麗なもんだった。
ベリッベリに剥がされた壁紙は、その内上から吸音材を貼って、この部屋を防音室にしてしまおうと思っている。

何もかもを前向きに考えることにした。
喧嘩の仲裁をして血だらけになることもない。部屋が汚れることもない。金曜の夜、突発的に四国に旅に出ることだってできる。
酔っぱらってホテルに泊まることもできる。名古屋や兵庫、山形を日帰りすることもない。
たった数駅に新幹線を使うこともない。高級果物屋さんで果物を買うこともない。砂肝を1つだけ買って店員に怪訝な顔をされることもない。
夜中、浅い睡眠で何度も起きて構うこともない。残業で心苦しくなることもない。
なんて不便で不自由な生活だったんだろう。
でもその全てが愛おしかった。
子どもを持てないわたしたちにかけがえのない時間をくれた。

今でも逢いたいよ。もう逢えないけど。
ディーだけ時間を止めたまま、わたしだけ季節が流れていく。
どんなに悲しくても、泣きながら眠っても、朝はまた来て、何食わぬ顔で仕事に行く。それがとても悲しい。
そうやってカレンダーをめくって、どんどん月日が過ぎて行って、いつかわたしもこの世からいなくなった後の世界で、またディーベルと遭えることを心から願っている。

最後に。
ディーベルに出会わせてくださり、ありがとうございました。
元々女の子ふたり希望だったのに、男の子ふたりならいますよと勧めてくださったことに感謝しています。
そして、会って、名前を呼んで、撫でてくださった皆様、ありがとうございました。
皆様のお陰で楽しいモモンガライフが送れました。また、いつか、フクモモの毛の柔らかさが恋しくなったら撫でにいきます。

待つ子のいない家に帰りたくなくて、傘の中で泣いたり、寒いベッドの中で小さな温もりを探して泣いたり、慣れない日常を受け入れて生きるふりをして、少し疲れてしまったな。

四十九日が終わったら、まずは旅に出たいな。

それまで、あともう少し毎日をがんばる。

“ディーのこと” への2件の返信

  1. ディーベルをおじいちゃんになるまで大切に育てていただき、ありがとうございました。

    一度会ったあの子達が変な人に買われそうだと知って、自分は飼えないくせに、とにかく良さそうな人にお迎えして欲しいと勝手に願っていたところ、カプさんにお迎えしていただき安堵しました。
    まさにご縁でした。

    別れは必ずいつか来るもの。
    今感じている寂しさはとても大きいものだけれど、10年近く共に過ごした日々の方が遥かに大事な温かい思い出になると願います。

    うちの双子も、ディーベルを見ていたからお迎えしたようなものです。あんな男の子達が欲しいと思ったから。

    あの感触が懐かしくなったら、うちの子達にでも触りに来てください。
    …たぶん噛まないと思う(笑)

    またお会いしましょう。

  2. えとさん☆
    コメントありがとうございます。
    えとさんのコメントでまたポロポロ泣いてます。
    今はまだ、ほかの動いているフクモモの動画を見るだけでつらくて何も考えられないですが、そのうち、えとさんファミリーにも会いに行きたいです!

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