思い出を剥がす作業

前々から欲しいと思っていたゲーミングチェアを注文した。
ふと、この年季の入った椅子を捨てることになるんだなと思ったら悲しくなった。

ベッドで寝ていた二匹は、この椅子の背もたれに一度着地してから床に降りていた。
よくここにいたので、においも染み付いている。
そして、ベルの最期はこの場所だった。

そんなことをぼんやりと考えていたら、電車の中でぶわぁぁぁぁって涙が溢れてきて、慌ててマスクに落とした。
なんで買い直そうなんて思ったんだという気持ちと、いつまでも持っていても仕方ないでしょという気持ちがないまぜになって、全部涙になって溢れた。

どうしても自分の手で粗大ゴミ置き場に置くことができなくて、結局は連れに頼んでしまった。
いつも嫌なことをさせてごめんね、ありがとう。
お寿司を奢るから、今回までは許して欲しい。

わたしが忘れない限り忘れることはないのだから、思い出すための手段なんて無くしてしまっても構わないのかもしれない。

なんて強がっても、本当はひとつも捨てたくはないのだけど。

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